出産の1日はあまりにも長く夫婦ともに疲れ果て倒れるように眠りました。
それから一人で病院へ通う日々が何日か続きました。面会はできたのですがNICUに入り呼吸器や輸血など繋がれている管がとても多く一層不安を煽られたことを今でも思い出します。1週間も経過すると妻も退院し何とかNICUへ行ける状態になりました。
病院の先生と予定を合わせて娘の状態を説明してもらいに夫婦そろって初めて病院へ行きます。妻は初めて目の当たりにする娘の状態に驚いていましたが、自分の手からミルクを飲む娘を見て感動したようです。きっと大丈夫だ、元気になる。そんな期待を持ちました。
面会が終わると先生がやってきて病状について説明してくれました。
・病名は低酸素性虚血性脳症です。
・酸素不足により脳細胞が死滅している可能性がありますので後遺症が残ります。
・脳内の出血が他の脳細胞を圧迫し身体麻痺の可能性があります。
ある程度の内容は覚悟していました。それでも自分でミルクも飲めたし無事に生きてさえいれば幸せを感じられることがきっとある。次の先生の言葉を聞くまでは希望を捨てられずにいました。
先生「運動能力については寝返りもできないレベルの損傷です。」
えっ・・・
目の前が真っ白になりました。大人になって初めて声を上げて泣きました。正直そこまでの後遺症は全く想定していませんでした。
車いすで生活だとかは想像していましたが寝返りをできないまでとは思いもしませんでした。自分の子供が寝たきりになるなんて信じられないし認めたくありません。
そこからの生活は心にぽっかり穴が開いたような心境で夜も眠れず、夫婦ともに精神的におかしくなっていました。誰でも精神的に参ってしまうと思います。
通勤の電車内や仕事中でも不意に涙が溢れてきてどうにかなってしまいそうでした。
次回ゆずの歩み⑥に続く